地方から再生の道へ:挫折から学ぶスキルアップ戦略【プロフィール】
何でこうなっちゃったんだろう... 私こと堤紀久夫は、Windows 95が発売される7年前にAIシステムのプログラマーとして就職する...

地方でAIプログラマーとして生きる道──挫折から学ぶスキルアップ戦略
AIプログラマーの道を歩む──プログラマこそ我が天職
何でこうなっちゃったんだろう...
私こと堤紀久夫は、Windows 95が発売される7年前にAIシステムのプログラマーとして就職する。入社後すぐに横浜の研究所へ派遣され、AIシステムの開発に携わることに。同期の中には、私よりも優秀な同僚もいて、AI開発を志していた。しかし、大学での AI 研究経験を買われ、私が選ばれた。
「経験こそが最大の武器」──それを実感する日々が始まる。
職場の壁にぶつかる──独立を考え始める
派遣期間が終わり、地方都市にある本社に戻ると、環境が一変する。同僚のマウント合戦や上司のパワハラが日常化し、職場は息苦しいものになっていく。
「このままここで働き続けるのか?」
独立や起業の夢が頭をよぎるが、不安が先に立ち、踏み出せないまま時間が過ぎていく。
うつ病と向き合う──人生のどん底
我慢を重ねるうちに、ついに心と体が悲鳴を上げる。うつ病を発症し、会社の産業医から「通勤しながらの治療は不可能」と宣告される。実家近くの病院で療養生活に入るが、気づけば10年が経過していた。
「もう復帰は無理かもしれない……」
そんな絶望の中、思いがけない知らせが届く。
仲間の死が教えてくれたこと
ある日、かつて派遣先で一緒にAIを開発した同期のM君が亡くなったと聞く。彼は会社の寮で、自ら命を絶ってしまったのだ。
「本当にそれが彼の望んだ結末だったのか?」
半年前に偶然再会したとき、彼は相も変わらずアイドルの追っかけをしていて、その話を楽しそうにしていた。それなのに、なぜ……?
「なんでこうなっちゃったんだろう...」
これは、同じ頃に亡くなったもう一人の友人が、ある時漏らした言葉だ。
彼は、ストレスから暴飲暴食を繰り返していた。 そしてある朝、彼は一人暮らしのマンションで目を覚ますことはなかった。
「飲酒は、緩慢な自殺である」と、中島らもがある著書に書いていたが、 この友人も自殺したようなものだ。こうして私は、連続して二人の友人を失うのである。
深い喪失感の中で、私は気づく。
「生きたい」
そして、AIプログラマーとしての復帰を決意する。
初心に戻り、AIを学び直す
久しぶりにAIの世界に戻ると、かつて学んだAIとは全く違うものになっていた。以前は哲学や心理学に近い分野だったが、今や数学的な数値計算が中心になっている。
「文系脳になった自分に、これが理解できるのか……?」
それでも、もう一度学び直すことを決める。
AIを学ぶのに、AIを学ばない方法
最新のAI技術に苦戦する中で、私は発想を転換する。「ゼロからAIを作るのではなく、すでにあるAIを活用すればいい」と。
世の中には、外部から操作できるAIシステムが数多く存在する。それらを組み合わせ、新たなシステムを作る「マッシュアップ」という手法を取り入れることにする。
「深層学習の専門知識がなくても、AIは作れる!」
この戦略が、限られた体力と気力の中での最適解となる。
効率的に学び、キャリアを再構築する
遠回りに見える方法でも、目的にたどり着ければそれでいい。
「楽しく学んで、楽しくキャリアを積もう」
私はそう決めた。フリーランスとして独立を考えているが、都会に出るつもりはない。地方で、家族と一緒に生きながら、自分のスキルを活かしていく道を探すのだ。
ふと、ある言葉が浮かぶ。
「アイゼンは、辛く苦しい旅がしたいのかい?」
「ぼくはね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような、楽しい旅がしたいんだ。」
// 勇者ヒンメル (『葬送のフリーレン』第6話)
AIを学ぶ道のりは、険しいものじゃなくてもいい。遠回りに見える方法でも、目的にたどり着ければそれでいい。
私の経験は、AIを学びたいけれど何から始めればいいかわからない人、地方にいながらキャリアアップを目指す人にとって、大きなヒントになるはずだ。
「AIでスキルアップしたいけど、どう進めばいいかわからない……」
そう思うなら、私の学び方をヒントにしてみてほしい。
「諦めたら、そこで試合終了ですよ」とは言わない。
自殺した二人の友人から、「諦めなければ、そこで人生終了ですよ」 と気付かされたからだ。